通勤、週末のツーリング、長距離のアドベンチャー。バイクで走る以上、突然の雨は避けられません。そんなときに大切な荷物を守るのが、バッグやケースに備わる防水性能です。
ただし、「雨に強い」と書かれている製品が、すべて同じ性能を備えているわけではありません。SHADでは、製品ごとの防水性能を分かりやすく示すために、国際的な保護等級である「IPX」を採用しています。
一方、ラゲッジの使いやすさはIPXの数字だけでは決まりません。取り付ける位置、必要な容量、荷物へのアクセス、着脱方法、施錠機能なども重要な選択基準です。本記事では、SHAD本国公式が公開した防水ガイドをもとに、防水性と利便性の両面から、自分の走り方に合うラゲッジの選び方をご紹介します。
「耐水」と「防水」は同じではありません
Water Resistant(耐水)
小雨、水しぶき、一時的な水濡れに耐えることを目的とした性能です。長時間雨にさらされた場合は、縫い目、ファスナー、部材の接合部などから水が入り込む可能性があります。
Waterproof(防水)
強い雨や継続的な水濡れに対して、水の侵入を防ぐことを目的とした性能です。防水性のある生地を使うだけでなく、接合部や開口部を含めた製品全体で、水が入りにくい構造をつくる必要があります。
バッグを選ぶ際は、「防水素材を使用しているか」だけではなく、ファスナー、縫い目、ロールトップ、レインカバー、インナーバッグなど、荷物を守る仕組み全体を確認することが大切です。
防水性能の目安になる「IPX」とは
IPXは、製品が水の侵入に対してどの程度保護されているかを示す等級です。数字が大きいほど、より強い水流や厳しい条件を想定した試験に対応します。
| 等級 | 水への強さの目安 | SHAD製品と使い方の特徴 |
|---|---|---|
| IPX4 | 継続的な雨や水しぶきへの対応 | TERRA TR08 クラッシュバーへ装着し、車体の空きスペースに6〜8Lの収納を追加 |
| IPX5 | 強い雨や噴流水への対応 | TERRA TR10 タンク上へ素早く着脱でき、荷物を手元で管理 |
| IPX6 | 豪雨や、より強い水流を想定 | TERRA TR30 左右合計60Lの積載力と、車体への固定・荷物へのアクセスを守る施錠機能を両立 |
IPXの数字が高い製品ほど強い水流を想定していますが、それだけで製品全体の優劣が決まるわけではありません。例えばTR08はIPX4で、TR30のIPX6より等級は低いものの、クラッシュバーへ装着して荷物を分散できることや、汎用性の高い取り付け方法など、TR30とは異なる利便性があります。必要な防水性能と使いたい機能のバランスで選ぶことが大切です。
※上記はSHAD本国公式が公開した情報を日本向けに整理したものです。IPX等級は所定の試験条件に基づく水への保護性能を示し、あらゆる使用状況での完全防水や水中での使用を保証するものではありません。
防水性と使いやすさを支える4つのポイント
1.水を通しにくいテクニカル素材
防水バッグでは、PVC、TPU、PUなどのコーティングや積層構造を採用した素材が、最初の防水層になります。表面から生地内部へ水が浸透することを抑え、長時間の雨にも対応しやすくします。
2.高周波溶着による密閉性の高い接合
針と糸を使う一般的な縫製では、生地に小さな穴が生まれます。SHADのWaterproofシリーズでは、高周波溶着によって生地同士を一体化し、縫い穴のない連続した接合部を形成。雨水が侵入しやすい弱点を減らしています。
3.防水ファスナーとロールトップ構造
バッグの防水性は、開口部の構造にも大きく左右されます。SHADでは、製品の用途に応じて止水性を考慮したファスナーや、開口部を巻いて閉じるロールトップ構造を採用しています。
4.レインカバーと防水インナーバッグ
バッグ本体だけでは十分な防水性能を確保できない製品には、外側から覆うレインカバーや、荷物を内側で守る防水インナーバッグという選択肢があります。
IPXだけでなく、取り付け位置と使い方から選ぶ
同じTERRA Waterproofシリーズでも、それぞれが担う役割は異なります。身近な荷物を車体前方へ分散するTR08、タンク上の荷物へすぐにアクセスできるTR10、長距離走行に必要な容量と高い防水性を備えるTR30。雨への強さに加えて、「どこに」「何を」「どれだけ積みたいか」で選ぶと、自分に合った製品が見つけやすくなります。
身近なツーリングの収納を増やす「TERRA TR08」
TR08は、クラッシュバーなどへ装着する容量8Lのバッグです。圧縮ストラップを使用することで6Lまで容量を調整でき、工具、レインウェア、ボトルなどを車体左右へ分散して収納できます。
IPX4の防水性能に加え、幅広いクラッシュバーへ取り付けられる汎用ストラップ、MOLLEシステムへの対応、荷物とバッグ本体をそれぞれ守る二重の南京錠対応構造を備えています。トップケースやサイドケースとは異なる位置に収納を増やせることが、TR08ならではの価値です。
タンク上の荷物へすぐアクセスできる「TERRA TR10」
TR10は、容量7Lの防水タンクバッグです。IPX5の防水性能、防水ファスナー、保温性を備えたメイン収納を採用。財布、スマートフォン、カメラなど、停車時にすぐ取り出したい荷物を手元で管理できます。
専用のClick Systemにより、タンク上への取り付けと取り外しを素早く行えることも特徴です。キーによる車体への施錠にも対応し、防水性、アクセス性、着脱性をバランスよく備えています。
雨・泥・オフロードを想定した「TERRA TR30」
TR30は、アドベンチャーやオフロードでの使用を想定した防水サイドバッグです。左右それぞれ30L、合計60Lの容量を備え、IPX6の防水性能とロールトップ構造により、豪雨や泥にさらされるような場面で荷物を守ります。
3P SYSTEM・4P SYSTEMによる着脱性に加え、SHAD独自のDouble Locking Systemを採用。バッグを車体へ固定すると同時に、内部へのアクセスも一つのキーで管理できます。高い防水性だけでなく、長距離ツーリングで求められる積載力と防犯性まで備えたモデルです。
雨への備えも、ラゲッジ選びの基準に
街乗りとロングツーリングでは、雨にさらされる時間も、持ち運ぶ荷物も異なります。走行シーン、収納したいもの、必要な容量、取り付け位置、着脱や施錠の方法を考えたうえで、IPX等級や防水構造を確認することが、使い方に合ったラゲッジ選びにつながります。
「少しの雨に備えられればよい」「長時間の雨でも荷物を守りたい」「泥や強い雨の中も走る」。必要な防水性能を整理して、自分のツーリングスタイルに合うSHAD製品をお選びください。
※製品の仕様、付属品、価格、適合、在庫状況は商品ページをご確認ください。
※バッグやケースの開閉時、取り付け状態、経年劣化、使用環境などによって防水性能は変化する場合があります。
※本記事は、2026年9月4日にSHAD本国公式サイトで公開された防水ガイドを参考に、カスタムジャパンが日本向けに再構成したものです。