世界で今、何が起きているのか──X-GRIP ムースがエンデューロを変えつつあります

先日、EICMAミラノショーの会場で、X-GRIP(オーストリア本社)の担当者と直接お会いする機会がありました。
世界のレース現場でムースがどのように使われ、どのように評価されているのか──
日本ではなかなか得られない一次情報を、その場で詳しく伺うことができました。

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X-GRIP は、エルツベルグロデオの会場のすぐ近くに本社と工場を構えるオーストリアのメーカーです。
“世界最大のハードエンデューロの現場”を日常的に見ながら技術を磨いているブランドであり、
その背景を知るだけでも、世界で支持されている理由が見えてきます。

日本ではムースはまだ特殊な用品という印象がありますが、
世界のエンデューロシーンではすでに 「空気よりも信頼される選択肢」 として普及しつつあります。
今回は、現地で得た一次情報をもとに、X-GRIP ムースの“いま”について整理してみたいと思います。


■ エルツベルグロデオで「50%超え」

世界最大級のハードエンデューロ、Erzberg Rodeo(エルツベルグロデオ)
“アイアン・ジャイアント”と呼ばれる巨大鉱山を舞台に、トップライダーが挑むレースです。

そのエルツベルグの麓に工場を持つ X-GRIP は、まさに地元ブランドとして浸透しており、
現在の使用率は 50%を超えている と伺いました。

長らく特定ブランドが強かったレースで、
ここまで短期間にシェアを伸ばす例はほとんどありません。

担当者は次のように話していました。

「トップライダーが“空気圧が落ちない安心感”を求めるなら、
X-GRIPを選ぶのは自然なことです。」

X-GRIP 担当者談

そのシンプルさが、ハードエンデューロの世界では何よりも強い説得力を持つのだと感じました。

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■ ISDE(6days)での状況

伝統ある International Six Days Enduro(ISDE)
特にイタリアはメッツラーやミシュランが非常に強い市場です。

その中で X-GRIP の装着率は 約20% に到達しているとのことでした。
ISDEは競技文化として保守的な土壌があり、新しいブランドが入り込むのは容易ではありません。
その中で20%まで食い込んでいるのは、確かな手応えのある数字です。


■ ドイツ選手権では「50%以上」

また、ドイツ国内のクラシックエンデューロ(通常エンデューロ)では、
すでに 50%以上のライダーが X-GRIP ムースを使用している とのことでした。

そして担当者は次のように明言しました。

「この2ヶ月で、X-GRIPは世界最大のムースメーカーになりました。」

X-GRIP 担当者談

もはや“新興ブランド”ではなく、
“世界の中心で戦うブランド”へと成長していることが分かります。



■ なぜ X-GRIP は長持ちするのか

耐久性についての話は非常に興味深い内容でした。

一般的なムースには次のような特徴があります。

  • 10〜20時間ほどで急激に柔らかくなる

  • 特にアジアの新興メーカー製ムースは劣化がさらに早い

そのため、ムースを“育てる手間”や交換頻度まで含めて考えると、
総合的なコストは意外とかさんでいきます。

一方、X-GRIP のムースは明らかに違いがあります。

50時間使用しても変化はわずか で、柔らかくなるスピードが非常に緩やかです。

担当者自身もプロレベルで走られており、

「私は50時間同じムースでレースに出ています。」

X-GRIP 担当者談

硬すぎず柔らかすぎず、理想的な状態を長く保てることが、
エンデューロで最も求められる性能だと改めて感じました。

そして、耐久性を前提にした 総合的なコストパフォーマンス を考えると、
X-GRIP の方が結果的に安くつくケースが多いと私は思っています。

現在の円安では価格が高く見える場面もありますが、
カスタムジャパンでは X-GRIP 本社からの直接仕入れ によって、
できる限り薄利で販売しているのが実情です。
ここは本当に正直な話です。

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■ 日本とのギャップ(推定値)

日本のムース使用率は、世界と比べるとまだ高くありません。

  • ハードエンデューロ:約30%(推定)

  • 通常のエンデューロレース:およそ5〜10%(推定)

  • 北海道だけは例外的に約20~40%(推定)

あくまで現場の体感や関係者からの情報を踏まえた推定値ではありますが、
日本の使用率が世界と比べて低いことは確かです。

“空気で走る文化”が長く続いていることもあり、
ムースはまだ一般的とは言えません。

しかし、世界の状況を知ると、
今後日本でも普及が進んでいくイメージが湧いてきます。

特に、
「パンクしない」というメリットは、実は一般ライダーのほうが大きい
という点はもっと広く知られて良いと感じています。


■ まとめ:X-GRIPムースは欧州標準になりつつあります

今回まとめた内容はすべて、
EICMAミラノショーで X-GRIP 担当者から直接伺った一次情報 です。

世界の現場で何が求められ、
なぜX-GRIPが選ばれているのか。
その理由を現地で理解できたことは、私にとって非常に大きな収穫でした。

ムースは、これから日本でも必ず広がっていきます。
理由はとてもシンプルで、

走りが安定し、レースがシンプルになるからです。

欧州のオフロード業界ではすでに、新しいスタンダードが始まっています。


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新しいタイプのムース
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