新車でバイクを購入してもうすぐ1年。毎日の通勤通学で乗る人もいれば、毎週近くのワインディングに走りに行ったり、月1回のロングツーリングを楽しんだりと、乗る頻度は人それぞれだと思います。いずれにしても走行距離が数千km~10000km超だったら、タイヤはそれなりに消耗しているはずです。引き続き安全かつ快適に走るためにも、そろそろタイヤ交換を考えてみてはいかがでしょうか? ここでは初心者の方にもわかりやすいように、タイヤの種類と選び方のポイントを解説します。
タイヤの種類その①:バイアスタイヤか? ラジアルタイヤか?
タイヤには基本的に2種類の構造があり、それが「バイアスタイヤ」と「ラジアルタイヤ」です。簡単に説明すると構造がシンプルで製造コストが比較的安く、低速走行や悪路での乗り心地が良い傾向にあるのがバイアスタイヤです。採用されているのは小〜中排気量のバイク(例:〜250cc)が中心で、街乗りや一般道を中心にしたツーリングならばバイアスタイヤで十分です。

一方で高速走行時の安定性、グリップ性能、耐摩耗性などを求めるならば、ラジアルタイヤがおすすめです。大排気量のバイク(例:400cc以上)やスポーツバイク、高性能なツーリングバイクに採用されていることが多く、高速道路を使ったツーリングやワインディングでのスポーティな走行、サーキット走行などを主目的とするならばラジアルタイヤが欲しいところです。

タイヤの種類その②:バイクのタイプ別で選ぶ
アナタが乗っているバイクのタイプに合わせたタイヤを選ぶことが重要になります。例えば、舗装された一般道を走ることが前提のオンロードタイヤを装着しているバイクに、未舗装路を走ることが前提のオフロードタイヤを装着したとします。走れないことはないですが、そのバイクが持つ本来の性能を発揮させることは難しくなってしまうので注意が必要です。
オンロードタイヤ


アスファルトによる舗装路を走ることを前提にデザインされたタイヤで、あらゆる排気量のスポーツバイクやネイキッドバイクに装着されている。摩擦によるグリップ力でしっかりと路面を捉える一方で、雨天時には最適化されたトレッドパターン(タイヤの溝)による高い排水性も発揮して、安全な走行をサポートしてくれます。
ツアラータイヤ


オンロードタイヤの中でも長距離ツーリングや高速道路の走行をメインに考えた、安定性と耐久性を重視したタイヤです。濡れた路面にも強く、高いグリップ力と摩耗しにくいロングライフ性能を両立。疲労軽減や快適性にも配慮されています。主に大型バイク用のラインナップが多いです。
スクーター・ミニバイク


こちらもオンロードタイヤのひとつですが、主に市街地での走行で優れたグリップ力と安定性を追求したタイヤです。小径ホイールに対応し、マンホールや白線でも滑りにくいようにウェット性能に優れた設計も強みです。通勤・通学などの日常使いに適した耐久性・乗り心地のバランスも重要です。
オフロードタイヤ


オンロードタイヤとは対照的に、未舗装路や悪路での高い走破性を追求したタイヤです。泥や砂利を掴む「ブロックパターン」と呼ばれる大きな凹凸が特徴で、優れたトラクション(駆動力)とハンドリング(操作応答性)を発揮します。モトクロス、エンデューロ、トレールなど用途に応じた種類があります。
ビンテージタイヤ


クラシックバイクやカスタム車に合わせた、レトロなトレッドパターンが特徴のタイヤです。当時の雰囲気を再現するため、シンプルかつ伝統的なデザインを採用しつつ、現代の技術で安全な走行性能と耐久性を確保しています。見た目のスタイルを重視するライダーに人気があり、バイアス構造のものが多いです。
ビジネスタイヤ


新聞配達や郵便配達、仕入れなど、毎日の長距離運行を想定し、長寿命・経済性・低燃費を最重視した設計のタイヤです。重い荷物を積んでも安定しやすい耐久性の高い構造が特長で、雨天や多少の悪路でも安定した走行ができるようにウェット性能と耐摩耗性にも優れています。スーパーカブに装着されているタイヤと言えばわかりやすいでしょう。
タイヤ用チューブ

主に旧車やオフロードバイクなど、スポーク構造のホイールを採用したバイクに用いられる部品で、タイヤ交換の際にタイヤの内側に納めるような形で装着します。このチューブ内に空気を充填させることで、タイヤがホイールにピッタリとはまる構造です。一方で一体構造のキャストホイールを使用するオンロードバイクやスクーターには、チューブが必要ないチューブレスタイヤを使用するのが一般的です。
~まとめ~

まずは「構造(バイアスかラジアルか)」を確認!
自分が乗っているバイクに指定されている構造・サイズを守りましょう。バイクによってはフロントタイヤがバイアス、リアタイヤがラジアルなど、違う構造を採用するモデルも存在します。分からなければバイクショップに相談するのが確実です。
次に「用途(タイプ)」を選ぶ!
バイクを買った時に最初から装着されていたタイプのタイヤを選ぶのが基本です。先述のようにタイプの違うタイヤも装着できないわけではないですが、そのバイク本来の性能を発揮させるならば、同じタイプのタイヤを選びましょう。
定期的にチェック!
スリップサインやひび割れがないか、定期的に確認しましょう。特に走行距離はそれほど走っていなくても、製造から5年が経過している場合は注意が必要です。迷った場合は、バイクを購入したお店や専門のバイク用品店で、現在のバイクの用途や頻度を伝えて相談するのが一番安心です。
